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2006年1月11日 (水)

この映画を見ました~「ヴェニスの商人」

ヴェニスの商人」、今週で上映終了というので慌てて見に行ってきました。

それも大森という行ったこともない遠い場所まで・・・もし大森にお住まいの方がいらしたら申し訳ありません。うさみは大森=貝塚しか頭に浮かばず、うら寂しい埋立地(どういうイメージ!?)かと思っていましたが、すごい繁華街でした。

venice1 うさみにとって「ヴェニスの商人」は初めて触れたシェイクスピア作品でした。
家にそろっていたこども用世界名作全集のうち1巻がシェイクスピアで、子供向け物語にリライトされた「ヴェニスの商人」と「リア王」が収録されていました(今考えると、アンデルセンやグリム・トルストイの童話に混じってシェイクスピアが1巻取ってるってすごいことだと思います)。頭が良くて機知に富んだポーシャはうさみの憧れでした。

劇としての人気を考えるとハリウッドで映画化されるのが今回初めてだというのは意外な気もしましたが、「人種差別」という概念すらない時代にユダヤ人がかなり貶められて描かれているストーリーはアメリカではまずいものもあるのでしょう。
映画の最初にそのあたりの時代背景説明が入るのは、それを理解した上で見ないとユダヤ人を軽蔑するヴェニスの人々にマイナス感情がわいてしまうからかなあと思いました。

そして映画全編も、誰か一人にスポットライトをあててその人の目から物語を見るのではなく、さまざまな人の思いを垣間見せて声高にメッセージを語らないところに、舞台とは違う映画のよさがいかされていて好感を持ちました。

もうひとつの映画ならではの素晴らしさは、16世紀ヴェニスの情景が美しく映像化されていたことでしょう。
アル・パチーノのイタリアでの人気のおかげで、普段はロケが出来ないような場所でのロケを許されたそうで、運河に囲まれたミステリアスで迷路のような石畳の道、波の浸食に沈み行く運命を持つせいか、どこか退廃的で世紀末を感じさせるうす暗い街角、霧におおわれたペールブルーの空気、どんよりと暗い運河などが、物語の雰囲気にぴったりと合っていて素晴らしかったです。
ラスト、シナゴーグ(
=ユダヤ人社会)から締め出されたシャイロックのシーンから切り替わって、シャイロックの駆け落ちした娘ジェシカが朝焼けの海を眺めるシーン、物語には描かれなかった希望の灯りを感じて救われた気がしました。

venice2 俳優さんでは、アル・パチーノのシャイロックが目立つ役ですが、うさみが気に入ったのは、ジェレミー・アイアンズのアントーニオでした。
陰鬱に抑えた表情の中にすべての感情があり、憎しみや悲しみを爆発させるシャイロックと好対照でした。

☆ 好きな台詞 ☆
「この世はこの世、ただそれだけのものと見ているよ、グラシャーノー - つまり舞台だ、誰も彼もそこでは一役演じなければならない、で、僕の役は泣き男というわけさ。」(福田恒存訳)

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コメント

まさに同日、同じ映画館でしたね!
何時ですか?私は10時25分からの・・
結構はいってましたよね。
でも私なんかベースがなく、うさみさんはいろいろご存知で勉強になります。
また遊びに来ますね。

投稿: foo | 2006年1月13日 (金) 00時16分

>fooさん
遊びに来て下さってありがとうございますm(__)m 
私は夜7時20分の回に行ったので、観客4人、ホームシアター状態でした。この映画館、スクリーンも座席も結構いいのに、こんな空いてて大丈夫かな、と思いましたが、昼間は混んでるんですね(^_^;)。

投稿: うさみ | 2006年1月14日 (土) 00時22分

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» 3 ヴェニスの商人 [毎週水曜日にMOVIE!]
「ホテル・ルワンダ」が大きな作品だったので、楽なものを観にいこうかと思っていましたが、今週終わっちゃうので行ってきました。 もともと「肉を一ポンド」の部分のみでしか知らないこのシェイクスピア。 でも大学の専門が史学科の私。よく知らなくても1500年代のお話とか雰囲気とか大好きです。 「宗教」はいつも大きなキーですが、ここでもキリスト教とユダヤ教の争いが始まりですね。 ユダヤ教は蔑視されつつあり、ゲットーで暮らす時代。 金貸しのシャイロック(アル・パチーノ)は、赤い帽子(ユダヤ教のし... [続きを読む]

受信: 2006年1月13日 (金) 00時14分

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