« 東京の街の色が変わる!? | トップページ | 携帯、替えるべきか、替えざるべきか »

2006年9月 9日 (土)

この映画を見ました~「マッチポイント」

ウディ・アレンが初めてニューヨークを離れ、イギリスでメガホンを取った映画、「マッチポイント」を見て来ました。Matchpoint1

今までのアレン作品の、シニカルなユーモアが好きな方は「あれっ?」と思う内容でしょう、今回ウディ・アレンは脚本・監督のみで「出演」していませんし・・・(^◇^)

元テニスプレイヤーの恋愛と結婚生活を描いていて、テーマは「」Luckです。


~以下、激しくネタバレです。
ご覧になる予定の方は、読まないで下さいね<m(__)m>。結末を知って見てしまうと、途中の面白さが半減だと思います。

ストーリーは昔からよくある話です。
貧乏から這い上がってきたアイルランド出身の元テニスプレイヤーの青年が、裕福な娘と結婚して、彼女の家の金と会社でのポストを得て上流生活を楽しみ始めます。一方、義兄の婚約者として出会った美しく妖艶なアメリカ人女優との愛人関係も続けて行きます。ずっと続くかと思われた彼の二重生活は、愛人の妊娠で危機に陥り、悩んだあげく彼は愛人の殺害を決意するのです。

うん、あらためて書いてみると本当によくある話ですね。でも普通だとこの続きは、1)愛人を殺害するが、ばれて全てを失う、2)妻を捨てて愛人との真実の愛に生きる、のどちらかかと思います(^_^;)。
アレン監督の用意した驚きの結末は、「愛人を殺害し、容疑者として名はあがるが、嫌疑が晴れて家族にもばれずに、今までの裕福な暮らしが続く」でした。

主人公クリスの殺害計画はかなりずさんだったので、警察署に呼ばれて事情を聞かれた時は、「ああ、これで嘘がバレて終わりなのか。」と思いましたが、クリスの持つ「」は彼の不手際を上回るものだったのです。

その「運」を招いたきっかけは、クリスが川に投げ捨てようとして、欄干に当たって跳ね返った指輪でした。強盗の居直り殺人に見せかける為に、愛人と一緒にアパートの隣室に住む老婦人を殺して奪った貴金属のひとつです。
見ている方は、映画の初めで出て来る、マッチポイントで打ったテニスボールがネットに当たり、運よく相手コートに落ちれば勝ち、というシーンと重ね合わせ、手前(=自分のコート)に落ちたということは、これが殺人の証拠になって捕まるんだな、と思わされます。

しかし、偶然その指輪を拾った麻薬中毒の男が、麻薬をめぐるトラブルで殺害されたことで、警察はその男が愛人と老婦人も殺害したのだと結論付けるのです。
クリス本人も知らないまま、運命の歯車は彼に有利な方に回って行く・・・ほんのちょっとしたきっかけでそこには誰の恣意もない・・・「運」は人生を左右する大きなもの・・・

確かに人の成功や人生の行路には、自分の才能や努力だけではどうしようも出来ない「運」が大きく係わっていると思います。運も才能のうち、という言葉もありますが、自分で制御できない大きな何かがある、ということは言えるのではないでしょうか?


それともう一つ、「罪と罰」がキーになっていました。
最初の方のシーンで、クリスがドストエフスキーの「罪と罰」を読んでいました。(スポーツマンの割に文学青年なの?と思いきや、すぐ放り投げて「罪と罰 解説本」を読み始めたのには笑いましたが(^◇^)。
クリスは殺人の社会的「罰」を受けることはありませんでしたが、一生誰にも言えない「罪」を背負って生きなくてはいけないのです。そしてそうまでして守った生活が本当に自分の望んだ素晴らしいものなのか、自問自答が続くのでしょう。

主演のクリスは、うさみの見た中では、「ベッカムに恋して」のコーチ役のハンサムぶりが印象に残っているジョナサン・リース・メイヤーズ。妻への「愛」loveと愛人への「愛欲」lustの間で揺れ動く、本音を決して誰にも見せない男をうまく演じていました。
Matchpoint2
でもうさみ的には、義兄役のマシュー・グード(左側、半袖の人)の方が好みですね~(*^_^*)、いかにもイギリス上流階級っぽい、知的だけれどスノビッシュなところがよかったです。

愛人役、スカーレット・ヨハンセンはいつもながら演技はうまいし、ため息が出るほど綺麗です。ファム・ファタールってこういう女性だよなあ~(@_@)と思います。

妻役のエミリー・モーティマーは「Dearフランキー」のお母さん役が最高でした。
妻の両親役、友人役など、脇を固めるイギリス人俳優さんたちもみんなうまくて、よかったです~。



ほとんどをロンドンロケで撮っているので、テートモダン(もと電力発電所を改装したテムズ川沿いの現代美術館、美術好きでなくてもここは一見の価値ありです!)や、サーチ・ギャラリー(モダンアートの個人ギャラリーで、今はもう移転して映画に出てきた場所にはありません。)、お洒落なノッティングヒルやチェルシーの街並みなどが見られます(*^^)v

最後にどうでもいいことですが、殺された老婦人が「お薬を飲まなきゃ。」と言って戸棚から出してきたのがハーブ・チンキらしき瓶だったのが、イギリスだなあと思いました(^^ゞ。日本だったら、お医者さんがくれたお薬がいっぱい入っている薬袋ですよね・・・

←こんな感じ

|

« 東京の街の色が変わる!? | トップページ | 携帯、替えるべきか、替えざるべきか »

コメント

いいですねぇ、OLにしておくのはもったいないくらい…。映画の様子が手に取るようです。解説が素敵。えぇ、マジで。

投稿: Mayusan | 2006年9月10日 (日) 21時09分

>Mayusanさん
そ、そんな過分なほめ言葉を(^_^;)・・・図にのってしまいますわん。
映画の面白さを言葉で伝えるのは難しいです、やはり映像には勝てないですね。

投稿: うさみ | 2006年9月10日 (日) 21時57分

きのうは殺害された。

投稿: BlogPetの白うさ | 2006年9月11日 (月) 15時54分

>白うさ
殺害されちゃったの(T_T) そういう言葉はあまり覚えなくていいよ・・・(・へ・)

投稿: うさみ | 2006年9月11日 (月) 21時09分

ロンドンでない貧乏や、日本など揺れ動く
うまくてしようなどをマシューされたみたい。

投稿: BlogPetの白うさ | 2006年9月18日 (月) 16時40分

>白うさ
この記事が気に入ったのかしら?先週に引き続いてのコメントです。今回は覚えなくていい言葉はないけど、訳はわかりませんね・・・

投稿: うさみ | 2006年9月18日 (月) 19時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/135432/11824288

この記事へのトラックバック一覧です: この映画を見ました~「マッチポイント」:

« 東京の街の色が変わる!? | トップページ | 携帯、替えるべきか、替えざるべきか »