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2007年3月12日 (月)

こんなDVDを見ました~「グッドナイト&グッドラック」

映画館で見たかったのに機会がなくて見逃してしまった映画、「グッドナイト&グッドラック」のDVDをようやく見ました。

これが見たかったのは、ジョージ・クルーニー(監督・脚本・出演)のファンだからではなく(嫌いな訳じゃありませんし、ハンサムだとは思います。でもうさみはERでは、ロス先生よりグリーン先生が好きです(^◇^)、この映画のテーマ、アメリカのマッカーシズム(赤狩り)に興味があったからです。

昔学校でマッカーシズムについて教わった時、自由の国アメリカで、しかもそんな昔でもない時代(1950年代)に、政府により言論が弾圧されていた、ということに驚きました。

広辞苑によりますと、マッカーシズムMacarthyismとは、

アメリカ共和党上院議員マッカーシー(Joseph MacCarthy 1908~1957)の行った反共運動をいう。マッカーシーは、1950年2月、国務省内の「赤色分子」二百余名の追放要求を皮切りに、「赤狩り」によって冷戦体制に批判的な人々を多数指弾し、失脚させたが、54年12月上院の問責決議によって失脚。

対象はアメリカ陸軍やマスコミ関係者、映画関係者や学者にまで及んだそうです。

映画は全編モノクロです。
最初は色がないことが気になっていましたが、白と黒だけで光と影を強調している画面が、テーマと時代にぴったりと合っていて、いつの間にか自分も一緒に白黒の世界にいるような気持ちで見ていました。

ジャーナリスト、エドワード・R・マローがホストをつとめるCBSのドキュメンタリー番組「See it Now」の製作現場を、当時のニュース映像を入れながら淡々と描いていく、とても地味な内容。
マッカーシー批判を続けるマロー達にふりかかる障害。

映画製作者側が出した結論、意見、のようなものは出て来ません。
真実を伝えようと闘うジャーナリストたちの姿を映し出して、あとは見る人に考えて欲しい、というのでしょう。
メディアの存在意義自由の意味、自分の理想を貫く難しさ、闘ってまで護るべきものとは何か・・・等々、平和ぼけしている自分を省みてしまう映画でした。

タイトルの「グッドナイト&グッドラック」原題Good night, and Good luck.は、番組の最後でマローがいつもしていた挨拶の言葉だそうです。
ただの「おやすみなさい」ではなく、暗い時代にひとすじの光を祈るひと言がいいなあと思いました。

映画の中の風俗に時代を感じたのは、ジャーナリストたちのスーツのラインと、煙草でした。
ニュース番組の中でキャスターが煙草を吸うなんて今では考えられないですよね(^^ゞ。当時は片手に煙草をくゆらせて話すところがカッコいいと思われていたのか、それともそれが当たり前のことだったのか、目に付きました。

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コメント

ビデオになったらぜひ見たいと思っていた映画です。当時、映画界もマッカーシズムに同調する保守派と、それに対する人権擁護派に二分され、ともに作品製作にかかわってきた監督、俳優たちが虚実入り乱れて互いに対立する混乱の時代であったとききます。「ローマの休日」のグレゴリー・ペックは、「思想の自由を脅かすもの」として堂々、反マッカーシズムの姿勢を貫いたそうな。
その後、一度は断罪されたマッカーシー議員の主張が近年あらたに検証され、アメリカの共産化を阻む上では正しい行いであった、と位置づける動きがあり、そのことが映画制作の動機になったのではと思います。双方の主張を伝えて、見る人に判断を委ねるように作品を作るのは、力量の要ることだと思います。ジョージ・クルーニー、タフな人ですね。
ハリウッドはいまだに業界として民主党支持、半世紀以上前の体験の、爪痕の深さをうかがわせます。

投稿: ぴの | 2007年3月13日 (火) 09時17分

>ぴのさん
アメリカって文化と政治も切っては切れない関係なんですね。この映画がアカデミー賞を取れなかったのも、政治的配慮があったからとか言われていますよね。

投稿: うさみ | 2007年3月14日 (水) 08時42分

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