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2007年6月 7日 (木)

「本物」との出会い

金沢21世紀美術館の初代館長、蓑豊さんが書かれた新書本「超・美術館革命ー金沢21世紀美術館の挑戦」を読みました。

いかにして「人の集まる」美術館を地方都市に作ったか、美術館の経営・学芸員の仕事とは何か、など興味深い内容で面白かったです。
この本を読んで、前からいつか行こうと思っていたこの美術館を訪れる日がますます楽しみになりました。

美術館の愛称の「まるびぃ」って何だろう、と考えてもわかりませんでしたが、「丸い美術館」のことだそうです(^○^)。

こどもに「本物」と触れ合う機会を与えるのがいかに大切か、というエピソードで、ご自分が子供の頃、美術展でクールベの「追われる鹿」という絵を見て感動し、美術の道を歩むきっかけになったと書かれています。
偶然ですが、うさみも小学生の頃、国立西洋美術館で見たクールベにとても感動しました。常設展の松方コレクションに今もある「」という絵です。
白く盛り上がる波頭に自分も飲み込まれて溶けてしまいそうな気がしました。

たぶんその時が初めて「本物」の絵を間近で見た機会だったのだと思います。
なぜその時両親が西洋美術館に連れて行ってくれたのか、上野動物園でパンダを見た帰りだったのか、もう記憶にはありません。
当然、クールベという名前もいつどこの人なのかも知りませんでしたが、「波」の素晴らしさはうさみの心深くに留まりました。

それで美術を学ぼうと思わなかったところは、うさみの凡人たる限界なのでしょうけれど、今でもクールベはとても好きな画家です。

デジタルでいろんなものが複製できる昨今ですが、やはり「本物」の意味、放つ力は偽物や複製とは違うと思います。

絵画もそうですが、舞台作品について強くそれを感じます。

うさみの場合、舞台を映像化したものには、客席に座って体験する時ほど感動出来ないのです。
もちろん貴重な舞台を映像に残す意味は大きいですが、出来ることならナマで見たいものです。

よく歌舞伎座からのテレビ中継をやっていますが、何だか冗長に感じてあまり面白くないことがあります。
カメラが捉えている箇所が自分の見たいところとずれていることもあります。たくさんの役者さんが演技をしている広い舞台のどこを見るか、それはその場で自分が誰の心情に立っているか、どの役者の演技により魅入られているか、または舞台装置や下座音楽の方を見たいこともあるでしょう。
劇場に行ってみると、その三次元の広がり、テレビには映らない部分に驚きます。

最近なかなか行かれませんが、歌舞伎もバレエもミュージカルもコンサートも、本物を見る機会を大切にしたいと思います。

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コメント

西洋美術館のクールベの「波」は一番好きな絵のひとつです。

劇場に足を運ぶと、そのパフォーマンスの生の迫力を感じることができますよね。こればかりは、テレビ中継では味わえません。

投稿: アラベスク | 2007年6月 8日 (金) 14時09分

>アラベスクさん
アラベスクさんも「波」がお好きでしたか(^◇^)。力強くて静かないい絵ですよね。
劇場での迫力って何なのでしょうね。バレエも本物と映像は全然違いますよね。ダンサーの動きで起きる風を感じるというか・・・

投稿: うさみ | 2007年6月 8日 (金) 20時58分

たぶんパフォーマンスから生まれる一体感なのだと思います、中継と生の違いって。
美学では「追体験」という言葉があって、芸術家が作品にのこしたものを鑑賞者が追って体験するってことらしいのですが、生だとそれが「同時」に起こるのですよね。
って「美学」講義の受け売りでした(笑)

投稿: アラベスク | 2007年6月11日 (月) 14時27分

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