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2007年8月17日 (金)

ルドンの黒

Bunkamuraザ・ミュージアムで開かれている「ルドンの黒」という展覧会を見て来ました。20070817_p1050402
金曜日は夜9時まで開館している、勤め人に優しい(商売がうまい?)美術館です(^◇^)。

予告ポスターを見た時から、ひとりの画家のひとつの色にこだわった展覧会タイトルが面白いと思い、ぜひ見たいと思っていました。

うさみはオディロン・ルドンと聞くと、幻想的で鮮やかな色の絵しか知りませんでしたが、前半生にはモノクロームの木炭画や版画ばかり描いていた画家だったのですね。
いわく、「黒は最も本質的な色彩である。

一昨年ニューヨークのMOMAで開かれた大規模な展覧会のサイトで、年代順に並べられた作品の画像を見ていっても、ある時突然色のついた作品が登場し、それが年々鮮やかになっているようです。20070817_p1050406

画業における転換期が、画家個人の人生における転換期でもあったようなのが興味深く思われました。
家族の愛に恵まれず、孤独で病弱な幼少時代を経て、画家を志してもパリの学校の試験に通らず帰郷、戦争に行き、結婚して長男を亡くし、次男が生まれる、その頃から、黒と白の画面に豊かな色が表れていき、画材もパステルや油彩になっていきます。

印象派と同じ時代のフランスに生きた画家ながら、題材やテーマは目の前にあるもの、ではなく、空想と奇想の中にあるものを追い続けていたのですね。

私の絵はただ見る人の想像力を刺激するだけで、それ自体を定義するものではない。それらは何も明確にはしない。音楽と同じく、私たちを定まらない曖昧な世界へと誘うのだ。

20070817_p1050405彼の描いた異形のものが、無気味に陰気に見えてしまうのは、見る側うさみの想像力の問題なのでしょう。

よく出てくるモチーフは「眼」「気球」「横顔」・・・まん前から人の顔を見るのが怖かったのかな、空に飛んでどこかに行きたいと思っていたのかな、というのはうさみの乏しい想像力です(^_^;)。

うさみの一番気に入った絵がポストカードになっ20070817_p1050404ていて、嬉しかったです。
タイトルは「光の横顔」、ピエロ・デラ・フランチェスカのシバの 女王からイメージしているそうです。光が当たった横顔、ではなくて、「光」の横顔なんですよね。内側から光っているようです。

20070817_p1050407 会場で流していたルドンの絵から絵に動いていくイメージフィルムが、とてもよく出来ていました。
サイトで見られる「蜘蛛」が動く予告編も、いいですね。

岐阜県美術館のコレクションから構成された展覧会です。
国内でも、遠い場所にある美術館はなかなか行かれないので、こうして名品を貸して東京で展覧会を開いてくれると有り難いです。

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コメント

私には難しくて・・・よく分かりません。
うさみさんの探究心にただただ~感心をするばかりです。
金曜日には9時まで開館しているから、ご覧になれたのですね。商魂逞しい美術館?

光の横顔・・・素敵ですね!

投稿: ぷりちゃん | 2007年8月18日 (土) 20時05分

>ぷりちゃんさん
それほど混んでいないと聞いていたのですが、金曜夜はそれなりに人が入っていました。夜の方が都合がいい人もたくさんいるのですね。

投稿: うさみ | 2007年8月18日 (土) 21時48分

景気が良いと流行ると言われている黒。
昨年から、この黒色が次第に流行り始めていると報道されています。
そういう状況で拝見したこの記事は、
僕にとってなかなか興味深いものでした。

僕の想像力も、たいしたことないですね(苦笑)。

投稿: らすから | 2007年8月19日 (日) 01時08分

おはようございます。
まだお盆ぼけのaostaです。

ルドンの絵、色鮮やかで幻想的なパステル画のイメージが強いですね。
そのためでしょうか、白黒モノトーンの作品(木版?リト?)には、描かれているものと相まってどこか異様な雰囲気を私も感じてしまいます。
たしかバタイユの作品の挿絵に使われていたような記憶があって、そのバタイユの小説の雰囲気と一緒になってしまってるのかもしれませんが。

私も「光の横顔」、だいすきです。それからギルシャ神話シリーズも。

投稿: aosta | 2007年8月19日 (日) 06時27分

>らすからさん
景気と共に黒が来ているという記事、私も見かけました。
黒い内装のレストランなどが流行ったのはバブル時だったですかね~。

>aostaさん
人生の大半はモノクロームの作品を作っていた画家さんなのに、今ひとが知っているのは晩年にかけての鮮やかな絵の方なのは、何かの因縁でしょうか・・・。
「悪の華」の挿絵は今回展示されていました。

投稿: うさみ | 2007年8月19日 (日) 20時35分

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