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2007年11月28日 (水)

この本を読みました~「仏果を得ず」

直木賞作家三浦しをんさんの新刊小説「仏果を得ず」を読みました。



子連れの未亡人を好きになる青年が主人公の青春小説なのですが、主人公の職業がちょっと変わっています(^◇^)。

文楽の若手太夫さんなのです。
(漫画家の勝田文さんが描かれた可愛い表紙イラストの、左側の人ですね。)

うさみは歌舞伎好きですが、文楽は1度しか見たことがありません。昨年亡くなられた人間国宝の吉田玉男さんが人形遣いをしていた公演をたまたま見て、名前も知らなかったのですがその芸の素晴らしさに感動し、これの次は何を見ていいのか選べないままになっています(^_^;)。
なので、あまり文楽のことは知りませんが、一応、ひとつの人形は三人の人形遣いが操っていて(首と右手、左手、足)、その他に義太夫を語る太夫と、三味線の三業から成り立っている、ということは知っていました。

この小説の主人公は、義太夫を語る太夫さん。

高校時代まではちょっとワルだったのが、修学旅行で連れて行かれた文楽鑑賞で、「仮名手本忠臣蔵」の「山科閑居の場」を語る太夫の老人に感動して、卒業後に文楽の研修所に入り、終了後は件の太夫に弟子入りして、10年目、という経歴。
文楽が好きで好きでしょうがなくて、他の事はなげうって修行を重ねて来て(お金がないのでラブホテルの1室を借りて住んでいます(^^ゞ、大きな役のチャンスと、恋が一緒にやって来て、さてどうしよう、と大いに悩むストーリーです。

小説のタイトル「仏果を得ず」は、「仮名手本忠臣蔵」のセリフから取ったもの(仏果は、仏教の修行で得るさとりのこと)で、各章のタイトルは、文楽の出し物の名前になっています。
特に文楽のことを知らなくても、個性的な登場人物たちの言動を楽しみながらページを追っていけますが、読み終わったら、一度くらい文楽を見てみようかな、という気になるでしょう(^◇^)。

作者さんは文楽の鑑賞本も書いているくらい文楽好きで知られる方ですから、自分の好きなものを多くの人に知ってもらいたくてこの小説を書いたのかなと思います。
文楽という芸能と、それを演じる人たちへの愛が溢れているんですよね(#^.^#)、読んでいる方もその情熱にほだされてしまいます。



この主人公が研修を受けた大阪にある文楽研修所、2年間の研修を終了すると、技芸員として舞台に出演することが出来ます。
独立行政法人日本芸術文化振興会、というお上がかりの機関なので授業料はタダ、日本古来の伝統芸能を絶やさず未来に伝えていこうという養成事業なのですね、歌舞伎俳優や歌舞伎音楽、能楽分野でも同じような研修が行われています。

この研修所の存在が、あまり世間に知られていないのでは、と常々残念でした。
日本も芸術にお金を使って、それがちゃんと有効に活用されているんだ、という立派な例として、もっとうまく宣伝して知名度を上げればいいのにと思っていましたので、この本を読んだ方々には知ってもらえて嬉しいです(*^。^*)。

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コメント

三浦しをんさんの本は読んだことがありません。面白そうですね。「愛情」こめて語られた文章っていいですよね~。
うさみさんは本当に色んな本を読んでいらっしゃいますね。とても参考になります。お友達から借りた本もあって、なかなか新しいものに手が出ない状態ですが、ここでチェックしておくと本屋さんに行った時手に取る機会もあるかなと期待しています(^^)
研修所の存在、全く知りませんでした。素晴らしいことですね!

投稿: ofuu | 2007年11月29日 (木) 18時11分

>ofuuさん
結構偏った読書傾向かと自分では思っているのですが・・・(^^ゞ。持っているとそれだけで安心して読まない本ってありますよね。

投稿: うさみ | 2007年11月29日 (木) 19時12分

 読みたいです! 3月に大分公演を見に行きました。友人がファンなのです。12月21日は博多であるので 切符買っています。蓑助さんが お昼にでるので。仮名手本忠臣蔵です。

投稿: 水戸小紋 | 2007年11月30日 (金) 08時25分

簑助さんです。字がまちがってました。すみません。

投稿: 水戸小紋 | 2007年11月30日 (金) 08時27分

>水戸小紋さん
12月で忠臣蔵公演、いいですね~。楽しみですね。文楽がお好きなら、この本、また別の面白さがあると思います。

投稿: うさみ | 2007年12月 1日 (土) 09時09分

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