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2008年5月 6日 (火)

東山魁夷展

連休最後、快晴の昼下がり、東京国立近代美術館で開かれている「生誕100年 東山魁夷展」を見て来ました。
20080506_p1080496
うさみはそれほど東山魁夷のファンではなかったのですが、先日の「新日曜美術館」というテレビ番組でこの展覧会の特集を見て、ぜひナマで見てみたいと思ったのでした。
青は心の奥に秘められて達することのできない願望の色」という魁夷の言葉は、前にどこかで読んで印象に残っていました。番組では「青」をキーワードに魁夷の人生をたどっており、彼の描いた青い絵の数々と共に、アトリエに残された500種以上の青い岩絵の具は壮観でした。

東京会場の会期があと10日ほどなので混雑は予想してはいましたが、切符を買うのも入場も10分ほどの行列、中は人の多さで息苦しくなるほどの混みようでした(^_^;)。客層も老若男女と幅広く、東山魁夷の人気のほどがうかがえました。

展示作品は大作が多く、人の頭ごしにでも見る事が出来て助かりました(#^.^#)。20080506_p1080512

魁夷=青、森と水、白い馬、というのがうさみの少ない知識にある情報でしたが、青が使われない作品もあれば、街並みや人物が題材になることもあったのですね。

展覧会のパンフレットになっている「」は、画面の真ん中、草むらを分けるようにして太い道が通っている絵です。消失点で道も途切れているのだと思っていましたが、本物を見たら、途切れたように見える部分からも道は横に曲がってなだらかに下りながらつながっていて、空に近い部分に少しだけ姿をのぞかせていました。
20080506_p1080511
道と人の一生を重ねてしまうのは、人生折り返し点を過ぎた人間の感傷なのでしょうか。まっすぐな道、終わりが見えずに続いている道・・・単純な構図ゆえに人の心に深く問い掛けて来ます。

パンフレットのもう1枚は、「花明り」。20080506_p1080515
京都の丸山公園にある枝垂桜だそうで、月明かりに浮かぶ桜が、宵闇と溶け合っています。夜桜をじっと見ていると、何だかその美しさがこの世のものではないように、空恐ろしくひやっとしてくる、そんな絵でした。

この絵は個人蔵、となっていました。
展覧会の100点あまりの出品作のうち、他にも個人蔵というのが何点かありました。コレクターの方というのは、こうした絵をどんな風に飾っているのだろう、といつも気になります(^^ゞ。湿度とか照明など状態良く保てるかどうか、盗難や火事防止とか、心配事は尽きないでしょう・・・後世に残すべき絵を自分の管理の悪さでダメにしたら、と思うと恐ろしくて、うさみにはたとえお金があっても、20080506_p1080513 名画を自分の家には置けない気がします(^_^;)。

どの絵も、シンプルな構図と少ない色使いからか、前に立った時、静謐で音のしない世界に入り込んだように感じました。それがしばらくすると、何かの小さな音が聞こえて来る、風に花びらが舞う音、葉のそよぐ音、水音、虫の音、雪が落ちる音・・・
雑多な音の多すぎる現代、たまにはこうしたかそけき音に耳をすませて静寂を楽しむ事が出来たら、と思ったのでした。

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コメント

冒頭にスライドショーを見させて頂きました。私も大好きな画家さんです。素敵な作品が。目の当たりにしたならば・・・また違う感動があるのでしょうね。

個人蔵のがあるとか・・・。
高価なものゆえ、その保存も大変かと。

素敵な体験をなさいましたね。
心が癒されたことでしょう。heart04

投稿: ぷりちゃん | 2008年5月 6日 (火) 20時45分

今回のオリンピックのマラソンコース、
コール手前にターンする難所があるそうな。
だからして、マラソンはレース毎にコースが激しく異なる(トラック競技と違う)ので、単純にゴールタイムだけで比較は出来ません。

これを人に例えるならば、
やはり人それぞれなのでしょうね。。

投稿: ふくやぎ | 2008年5月 6日 (火) 20時53分

東山魁夷展には行っていませんが、近美は帰り道なので、金曜日にでも立ち寄ってみようかと思います。
GWは芸術ウィークでしたね。私もあやかって薬師寺展とバウハウス展に行ってきました。
日光・月光、ルネッサンス時代より遙か以前に日本で作られていたことには驚きです。

バウハウスはベルリンのバウハウス美術館を訪ねたことがありますが、あまり洗練されているとはいえないドイツ人の創造したモダンなデザインは、とても1920年代のものとは思えないですよね。

混雑していることは覚悟の上でしたが、やっぱり人の頭の後ろから見ている状態でした。とほほ。

投稿: アラベスク | 2008年5月 6日 (火) 21時19分

花明り  妖艶さを秘めた桜の 怖いような美しさですね。
 ゆっくり 時間をかけて 一人で見ることが出来たら どんなにかうれしいことでしょう。
 

投稿: 小紋 | 2008年5月 7日 (水) 19時03分

>ぷりちゃんさん
昔からカレンダー等で馴染み深い画家さんですが、本物を大画面で見るとやはり違うと思いました。展覧会の構成もよくて、見に行ってよかったです。

>ふくやぎさん
長距離走も人生に例えられますね。私は走るのが苦手で自分では絶対マラソンなんて考えられませんが、観戦するのは結構好きです。人まかせな人生ってことでしょうか?

>アラベスクさん
バウハウス展、行きたいと思っていたんですよ。まだ始まったばかりだからGW中は避けたんですが、混んでるんですか・・・空いている時間帯ってあるのかな。
東山魁夷展はたぶん金曜日も大混雑かと思いますが、大きな絵なので混んでてもそれなりには見えますよ。

>小紋さん
「花明り」の持ち主さんはいつもひとりで夜眺めながらお酒を飲んだりしているのかもしれませんね。すごい贅沢~。

投稿: うさみ | 2008年5月 7日 (水) 21時57分

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