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2009年6月28日 (日)

世界遺産抹消

30日閉幕の予定で開かれている世界遺産委員会で、ドレスデン・エルベ渓谷(ドイツ)が世界遺産から抹消されたことが大きなニュースになっていました。



抹消の理由は、建築予定のエルベ川にかかる橋が、景観を損ねるから。

エルベ川沿いの20キロほどの渓谷地帯が世界遺産(文化遺産)に登録されたのが2004年、橋の建築計画が持ち上がって、危機遺産リストにのせられたのが2006年、そして2009年の今年、抹消されました。
景観が損なわれるという理由で抹消された初めてのケースだそうです。

橋はドレスデン市内のひどい交通渋滞を解消するためのもので、世界遺産を賭してでも橋を建築するかどうかは住民投票で決定されました。川の上でなく地中を通す案も検討されましたが、かかる予算が段違いで採用されなかったそうです。
ニュースでインタビューされていた地元住民は、「世界遺産じゃなくなっても、観光客は来てくれる。」「渋滞緩和の方が重要。」と答えていました。

このニュースを見た時、ドイツ人は名より実を取るんだなあ、これが日本だったらこうはならなかったのではないかなあ、と思いました(^^ゞ。

第2次世界大戦の爆撃で破壊されたドレスデン市街地の復20090606_p1010807興にかけた努力と熱意を見れば、彼の街の人々が歴史と文化をどれほど大切にしているか想像がつきます。
それでも人が生きていくために必要なインフラは作るべき、世界遺産のために不便を我慢する必要はない、という考えなのでしょうか。それとも橋のひとつやふたつでは、今まで築き上げた街の美しさや底力は損なわれないという自信でしょうか。

歴史的遺産をすべて昔のまま保存する事が、いつでも正しい選択肢だとは限らないのかもしれない、景観を守る事と今を生きる住民の快適な生活の秤がつりあう所はそれぞれ違っていいのかも、と考えさせられるニュースでした。

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コメント

昨夜昔のドイツ語クラスの友達(先生入れて10人)とお食事をしたのですが、「世界遺産じゃなくなったドレスデン」は話題になりました。反応はドイツ人と似たり寄ったり(?)で、それほど大騒ぎすることでもない・・・という感じでした。
ドイツ人ってpraktisch = practicalなのですよね。

投稿: アラベスク | 2009年6月29日 (月) 21時12分

>アラベスクさん
人間が作ったものはいつかは滅びる・・・だったら生きているものが快適に暮らせる方がいいのかなあとも思います。
あのへん一帯、というのでなく、もっと狭い地域とか建物に限って、再申請は可能だそうですね。どうするんでしょう?

投稿: うさみ | 2009年6月30日 (火) 22時12分

屋久島も入山制限らしいですし 古いものを守りつつ というのは非常に難しいのでしょうね。
 冷徹な目で すべてを見通して 実行する....難しいですね。

投稿: 小紋 | 2009年7月 1日 (水) 13時20分

>小紋さん
未来に残すことも大切ですが、いま生きる人も過去からの遺産を楽しむ権利はあるんですものね、難しいですね。

投稿: うさみ | 2009年7月 2日 (木) 20時52分

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