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2010年2月 7日 (日)

絵と小説と・・・「閉ざされて」

篠田真由美さんの新刊本、「閉ざされて CLOSED」を本屋さんの平積み台に見つけた時、ハンマースホイのようだと思いました。



あとがきを開いたら(うさみはたいていあとがきを先に読みます(^^ゞ、「・・・晩秋、東京、上野の西洋美術館で見た、ヴィルヘルム・ハンマースホイという耳慣れない名の画家の作品が、この物語のモチーフとなった。」とありました。

うさみはその展覧会、とても行きたかったのに見逃してしまったのですが、美術番組の特集や展覧会サイトでハンマースホイの作品に間接的に触れてはいました。

好きな作家さんが興味のある画家作品をモチーフに書かれた本です、すぐに購入し、一気に読みました(^^ゞ。

小説全体に漂う世界は、確かにハンマースホイのイメージにつながっていますが、篠田さんが見て感じた絵を再構築したものになっていました。20100208_p1040097

ハンマースホイは、近年評価が高まっているデンマークの画家で、無人・または後ろ向きの女性ひとりを配した室内を好んで描きました。一昨年の展覧会のサブタイトルは「静かなる詩情」でした。
その「静けさ」、沈黙、無、が、最初から何も無かったのではなく、存在したものが滅びて消えて無になった、だから静けさの向こう側に垣間見えるのは、滅びを呼び込んだ狂気・・・小説から浮かぶ絵はそんなメッセージを伝えているようでした。

表紙の挿画は、ハンマースホイ本人の絵かと思っていましたが、よく見ると表と裏表紙の絵が違い、見返しの絵も、小説の内容に合っていました。イラストレーターの藤田新策さん(宮部みゆきさんや恩田陸さんの本の挿画もしています)によるもので、ハンマースホイの構図や色を意識して描かれたのでしょう。



初めに絵があり、影響されて小説が生まれ、その物語を飾るために絵が描かれて、それを見たうさみは初めの絵を想う・・・不思議な縁を感じる連鎖です(*^。^*)。
電子ブックでは味わえない、”本”というかたちの魅力だと思います。

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コメント

ハンマースホイ・・・私は知らなかったです〜。でも調べたら、「「背を向けた若い女性のいる室内」は見たことがありました。随分と前、いつ何で見たのかも記憶していないほどですが。
そういえば、学生時代の私は、小説から生まれたイメージを作品にすることがあり、卒業制作はレイ・ブラッドベリから受けたイメージによるものでした(^ ^)就職面接に行った先の社長さんが、たまたま私の作品の見かけており、それがきっかけで入社できました。ブラッドベリの小説のおかげで、今の私があるのでしょうか??これも縁を感じる連鎖かしら?と思いました。

投稿: ジュエル | 2010年2月 8日 (月) 23時04分

>ジュエルさん
私もハンマースホイの名前は一昨年の展覧会で初めて知りました。地味なようで印象に残る絵ですよね。
レイ・ブラッドベリのイメージの卒制ってどんなのだったんでしょう?拝見したいです~!

投稿: うさみ | 2010年2月 9日 (火) 19時00分

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